【ファントム・シンガー】決勝①
ついに迎えた決勝ラウンド。
決勝ラウンドは2回に分け、1次・2次ともに各チーム2曲ずつ披露することになります。1次の点数40%、2次の点数60%で計算されるとのこと。
記者会見でプロデューサーが、この人たちに対する最終的な判断を1曲だけとか、当日のコンディションなどで左右され得る状況で判断することはできないと思ったとおっしゃっていました。
1次はスタジオで500人の観覧客を迎えて行われました。
番組では初めて聴衆がいる中での本番ということで、それがどう作用するのかもみどころです。審査は観覧客の投票40%と審査員の点数60%によって順位が決められます。
まずは1曲目。
歌う順番は曲ごとに抽選で決められ、フォルテ・ディ・クアトロは3番目の登場となります。ステージに現われた4人を見て審査員から「わあ、ビョリ痩せたね」「見て、ヒョンス痩せた!」との声。ここで番組を通して初めてヒョンスさんの髭のない姿が公開されました。
審査員+テジンさんのフォルテ・ディ・クアトロに対する期待を語るインタビュー。
ユン・サン「番組を通して最も自分の魅力を発揮したメンバーが集まっている、特攻隊のようなチーム」
ユン・ジョンシン「最もそれぞれの個性が強いチーム。最も魅力的なバス・バリトンのソン・テジン、まだ粗削りのイ・ビョリ、最も優れたテノールの1人であるキム・ヒョンス、そしてそこにコ・フンジョンというリーダーがいる。他のチームに比べて明確なリーダーがいるチームなので、リーダーがいるチームがこのような舞台でどのように発揮できるのかも見てみたい」
テジン「特別なメンバーが集まったチームのように思う。ヒョンス兄さんとは花が咲くで一度合わせたし、ビョリはとてもいい声だし良いものを持っているし努力家でもあり、フンジョン兄さんと言えばプロデューサーという修飾語がつくほど能力のある人だから、この組み合わせはいいステージを作り出せるのではないかという自信を感じている。」
選曲に対する説明。
ヒョンス「私達はそれぞれ、これまでソフトな曲ばかりやってきました。ここでソフトな曲をやれば、またソフトな曲だと思われるかもしれない。」
テジン「私達4人のある程度の変身。私達が最初にパワフルなもので行くことが私達4人にとってはより効果的だと思いました。」
フォルテ・ディ・クアトロは『Odissea(オデュッセイア)』を歌いましたが、マルセロ・アルバレス&サルヴァトーレ・リチートラのアルバム『デュエット』に収録されている1曲です。(※このアルバムには後にフォルテ・ディ・クアトロのレパートリーになる『Fantasma D'amore(愛のファンタズマ)』も収録されていて、ヒョンスさんが学生時代にCD屋さんで買って持っていたものらしいです。)
ヒョンスさんが大まかな構成を考えて持ってきたものを元に合わせながら、意見を出し合って打ち合わせする様子が放送されました。
打ち合わせの横で他のチームのメンバーがフンジョンさんに「何ですかこの曲?すごいですね」「もうこんな風に構成作ったんですか?さすが兄さんがいるから」と言うとフンジョンさんが「いや、これはヒョンスがやったんだ」と話すシーン。
更に打ち合わせ中の様子。
テジン「ここは私がメロディをやります」
ヒョンス・フンジョン「OK」
テジン「みんな上下に和音入れますよね」
ヒョンス・フンジョン「OKOK」
ヒョンス「ここはフォルテでわーっと、アカペラでわーっと、一度はピアニッシモで」
ここで個別インタビュー。
ビョリ「ヒョンス兄さんもテジンも選曲して編曲する時にとてもたくさん意見を出します。自分たちが積み重ねてきた音楽的経験があるので決して無視できないアイディアに溢れています。それをフンジョン兄さんが整理していくというやり方です。」
フンジョン「メンバーが各自の役割を果たせるようにお互いに意見を調整しながら、決めるべきところは決めて、果敢に捨てるべきところはすぐに捨てて、練習の過程でそういう作業を常にやりました。」
ヒョンス「そしてビョリもよくやってくれる部分があります。高音もそうだし。」
テジン「お前が引っ張ってくれ、お前じゃないとできない、という点も多くありました。」
(その背景に、ビョリさんが言われた通り高音をやってみてメンバーが感嘆するシーン)
フンジョン「練習をしてみたら思ったよりサウンドがよかったんです。自分達が見ても。これはこれぐらいやったら悪いことは言われないんじゃないかなと言ってました。それほど練習がうまくいったし、各自が自分の役割をしっかりやったんです。」
本番直前、4人で手を繋いで輪になり、ビョリ「決勝ですね」フンジョン「決勝だよ。最後まで来たんだ。100点で終わらせよう」ヒョンス「最前を尽くして楽しくやりましょう」フンジョン「練習通りやったら悪いことは言われないよ」と言い合い、ステージへと向かう4人。
<オデュッセイア>
歌い終わったフォルテ・ディ・クアトロに観客は拍手喝采。審査員は満足そうに顔を見合わせていました。
マイケル・リー「私が望んだものをあなた達は掴んだ。声も重要だけれど、チームワークを生み出す時のエネルギーがとても重要です。このチームはそのエネルギーをうまく合わせていました。」
司会者「マイケル・リーさんは今日初めて誉め言葉をおっしゃったんじゃないですか。」
ユン・ジョンシン「音楽に作戦というのもおかしいけれど、オーディションだからある程度の作戦があり得ると思います。このチームは作戦をうまく立てました。大抵誰かがソロをする時に、その人を目立たせるためにその人がメインになって残りの人は何もしなかったりするけれど、このチームは1人が目立とうと前に出るのではなく、逆に後ろから3人を配慮しているように見えて全体を4人で引っ張ったという作戦がとても良かったです。ずっと団体曲を聞いていたという印象です。だから私達の胸が大きく打たれるライブになったのではないかと思います。」
ユン・サン「3チームの歌を1曲ずつ聞いて感じるのは個人の声が技術的な部分を超越して、各自の役割を確実に理解していることから来る安定感。他のチームの歌を聞いた時に感じた説明のしようのない不足感がなんだったのかをこのチームが気付かせてくれました。」
ここでテジンさんに感想を聞く司会者。客席から歓声が。「皆さん愛してます」って一回言ってみてと言われ「愛してます。ありがとうございます」の声にはしゃぐ客席。(テジンさんは、このパフォーマンスで充分に満足しています言っていました。)
ヒョンスさんはヒゲがないことを指摘され、「何か足りないと思った」と言われ「私も足りないと思います」と言いながらもパフォーマンスについては「何も言うことはありません。幸せでした。ありがとうございます。」とコメントしました。
続いて2曲目。今度は2番目に登場したフォルテ・ディ・クアトロはサン=サーンスの「動物の謝肉祭」より『白鳥』にイタリア語の歌詞をつけた『Notte Stellata(ノッテ・ステラータ)』を選曲しました。
事前インタビュー。
フンジョン「たくさんの応援を受けました。(このパフォーマンスが)その応援に泥を塗っては絶対にいけないと思います。」
テジン「最もアンサンブルらしいものをお見せしようという覚悟で2曲目を準備しました。
スタッフにこの曲の鑑賞ポイントを聞かれ、ビョリさんに「ご説明しなさい」と促すテジンさん・フンジョンさん。話し始めたビョリさんにまた両側から「笑え笑え」。笑顔で改めて話し始めるビョリさんを見て満足そうに何度もうなずくフンジョンさん。
ビョリ「ノッテ・ステラータはハーモニーに重点を置いた曲です。」
テジン「私達はハーモニーでも感動を与えることができるということで2曲目として戦略を立てました。」
1曲目が終わり着替える4人の会話。
テジン「本当に大変な曲が残っています。真のレガートの碇石。」
フンジョン「これがハーモニーだというのをお見せしないと。これぞ重唱だって。」
本番直前。
テジン「どんな時よりも緊張しました。」
フンジョン「どうしたら本当にいい音楽、いいパフォーマンスで胸を打つことができるのかに集中したいです。」
ビョリ「最高の舞台を作れたらいいなと思います。」
舞台裏でフンジョンさんの「クアトロ・ディ・フォルテ」の合図に小さい声で「ピアノ~!」と声を合わせる4人。
再び舞台に登場した4人。
司会者がフンジョンさんに呼びかけ「はい」と答えただけで歓声の上がる客席。
「他のチームもチームワークがいいけれど、特にこのチームはチームワークがいいように思います。コ・フンジョンさんは他の人とチームだった時も素晴らしいカリスマでチームを引っ張っていました」という司会者に謙遜するフンジョンさん。
「イ・ビョリさん、あまりにもカリスマが強くて大変とかそういうことはなかったですか」と聞かれ「とってもよかったです」と感情を込めていうビョリさんに隣で照れ笑いするフンジョンさん。すかさず棒読みでもう一度「とってもよかったです」というビョリさんの言葉に笑いが湧き起り、当惑した表情でビョリさんを見つめ、首をかしげるフンジョンさん。
<ノッテ・ステラータ>
以下、審査評。
ユン・ジョンシン「私は典型的なクラシック・シンガーの声ではなくポップスの要素も加えて歌った点が良かったです。だからこの曲が充分にクラシックではなくクロスオーバーの感じがして良かったです。1曲目がとてもよかったので今度も良いだろうかと思ったけれど試みも良かったし、全てが良かった。素敵な公演だったと思います。」
キム・ムンジョン「非常に難しい曲です。普段チェロとピアノで聞きなれている曲を歌詞を付けて聞いたのも初めてだし独特でした。ソロよりもハーモニーの時がエネルギーとしても感動的でした。このチームを見ると確かなチームカラーがあると思います。私は季節が揃っているように感じます。春のようなスイートなヒョンスさん、夏の情熱的なフンジョンさん、秋のような暖かい印象のビョリさん、冬のような暖かな声を持つテジンさん。だから白鳥が四季を巡るような印象を受けました。」
ソン・ヘス「ファントム・シンガーの冒頭にいつも”天上のハーモニー”と出て来ますが、今の公演を聞いてこれが天上のハーモニーに近いのではないかと思いました。そしてフランスの作曲家サン=サーンスが130年余り前にチェロを主役として作った管弦楽曲に隣国のイタリア語の歌詞が付き、そこから遠く離れた韓国でこの曲がまた聞かれるとはサン=サーンスもお墓の中で想像し得なかったでしょう。それがクラシックの生命力で力です。ファントム・シンガーだからこそできることです。オーディションという感じではなく公演を楽しむことができました。」
こうして決勝の1次が終わったのですが、観客はここで退場しながら投票する(結果がネタバレしないようにオンエアで確認させられる)ということで、順位は観客が去った後に発表されました。
結果発表をじらしたりフェイクをかける司会者に驚いて胸をぎゅっとつかむヒョンスさん。
結果(審査員の点数60%+観覧客の投票40%)は、
1位:フォルテ・ディ・クアトロ:760.6点(審査員575点+観客185.6点)
2位:インキヒョンサン:684.8点(審査員564点+観客120.8点)
3位:ヒュンスプレッソ:647.6点(審査員554点+観客93.6点)
結果を受けてのコメント。
フンジョン「感謝します。私達は練習通りやろう、練習を100やったなら100お見せしようと話していたのですが、幸いそれをよく受け止めてくださったようでありがたいです。次の舞台を頑張らなければという思いしかありません。」
ヒョンス「ビリばっかりだったのが久々に1位になってとても感慨深いです。次の決勝戦も力を合わせて欲を出さず、練習した分だけお見せできるパフォーマンスを作ります。」
余談ですが、インキヒョンサンのメンバーが「1位のチームが欲を出さないと言ったけれど、僕たちは欲を出してひっくり返して見せる」と意欲を見せる中、最後にコメントしたユ・スルギさんが「全員でひとつのチームだからみんな頑張って…」とコメントを始めると司会者が「前の3人がひっくり返すって言ってるのに」と遮ると、ペク・インテさんが「指弾されるべきです」と言い、ヒョンスさん爆笑。フンジョンさんは人差し指を立て、スルギさんに向けて手を振って指弾ポーズ。スルギさんは「他のチームじゃなくて視聴者をひっくり返します」とコメント。
いよいよ最後、次の最後のラウンドは生放送でした!